ワークとアート

9時20分出勤。打ち合わせ2件。2時限目イギリス文化講義。19世紀中葉のラファエル前派の話の続きから、ウィリアム・モリスの仕事を中心に1860年代以降のイギリスの文化と社会を見てゆく。芸術、仕事、労働といったキーワードを説明しつつ、モリスの「workのpleasureの表現としてのart」というlesser arts観を、いまの学生の「就活」とか「キャリア」といった(身近と思われる)観念にぶつけてみる。10年近くこの講義を続けてきて、いつも同じネタでやっているわけではないにせよ、いささか抽象的な話できついかと思ったが、100人ぐらい出席しているオーディエンスの集中度が、今年はいままでになく高い。例年だとこの人数のクラスであれば「劇場感覚」で一部のグループが注意散漫で私語にふけったり、ふらふらと途中退出するようなのがいたりするが、今年はそれがない。否が応でもcriticalになってしまった時代状況ということが学生諸君の意識に作用しているのだろうか。午後個人研究室にて卒論ゼミの個人面談。4時に学務部長室に戻って、打ち合わせ2件、9時まで残務、10時過ぎに帰宅。