「真理省」のライブラリー

 9月5日(月)まずまずの天候。ブルームズベリにあるロンドン大学総合ライブラリーへ。この時期のロンドン、同業者の多くがブリティッシュ・ライブラリーを使っていらっしゃるが(そちらに行くと、たいてい何人かの知人にお目にかかれる)、今回の目的としては、開架式のこちらのライブラリーのほうが重宝。数年前から始まったとかいう館内改装工事がまだ進行中で、本来の場所に図書が置かれていなかったり、部屋によって工事音がしたりという難はあるが、まあ仕方がない、いろいろ便宜をはかってもらえるし。


そのライブラリーが入っているセネイト・ハウスの正面。この建物は1930年代に建造されたときは、セント・ポール大聖堂に次いでロンドンで2番目に高い建物だったそうで、第二次世界大戦中は情報省がここに間借りした。それもあって、ジョージ・オーウェルは『一九八四年』の「真理省」のモデルにしたと見られている。逮捕された主人公のウィンストン・スミスがそのなかで拷問を受けた挙句に「ビッグ・ブラザーを愛する」ことになる場所だ。

 この建物の右隣が大英博物館。帰りにちょっと立ち寄って、パルテノンの部屋でしばらく過ごす。