茶話会とおとむらい

2月25日(土)午後2時よりラスキン文庫ティーパーティ。銀座ミキモト本店の上階にあるホールにて。例年2月下旬に行われ、最初に30分のショートレクチャーがあり、そのあと茶話会。先日ラスキン『ゴシックの本質』の訳本を出した関係で、それにまつわる話を秋山理事長より依頼されて、抜粋のレジュメ(訳文と原文)を作ってそれにそってお話しする。前日まで学務過多で原稿を作る時間もなく、大体のアウトラインを考えていったが、私自身のラスキンとの出会い(1981年、小野二郎の演習での「ゴシックの本質」精読)と、モリスのラスキンとの出会い、ラスキンの文体の特徴(の一端)を話したところであっというまに時間切れ。予定では、後半に「ポストフォーディズム下のラスキン・モリス」という当面の(RW研メンバーより与えられた)重点課題について問題点を投げかけてみるつもりだったが、その余裕はなかった。パーティの席で協会員の横山さんにその入れなかった話題についてかいつまんで説明すると、この会ではむしろそこまで行かなくてよかったとのコメントをいただいた。
 会の終了後、目白でひとつ用事を済ませた後、聖蹟桜ヶ丘へ。観蔵院瑠璃光会館にて、内藤健二先生のお通夜。内藤先生はシェイクスピアがご専門、かねて病気療養中でいらしたが、2月20日亡くなった。享年80.私は明大の大学院で、1980年代前半にお世話になった。1983年だったか、私の要望で院の演習でエドマンド・スペンサーの『フェアリー・クイーン』をテクストにして付き合ってくださったのはありがたかった。語学力にたいへんすぐれ、学識のある方だった。書かれたものの量より、書かれずに考え抜かれたことがらのほうがおそらく圧倒的に多かった。お清めの席で教え子の方々と久しぶりに会い、もろもろの回顧談となる。
2月26日(日)ふたたび聖蹟桜ヶ丘へ。午前11時より内藤先生の告別式。先生をお見送りし、そのあと旧知の方々と近況を伝えあい、やはりもろもろの回顧談となる。