マニフェスト

 終日自宅。
 古書店に注文してあった英国労働党の1997年の総選挙用マニフェストが届く。表紙はこう。


 マニフェストの本文そのものは労働党のホームページで取ることができ、今回の文化史教科書の作成に際してもそれを参照したが、実際の冊子体を手に取ってみると、デザイン、レイアウトによってなにを強調しているのかが視覚的にわかっておもしろい。古書でたかだか1ポンド(プラス送料)ほどのものだし、もっと早く入手すべきだった。

たとえば4ページの見出しは、

「ニュー・レイバー[新しい労働党]はさまざまなアイデアと理想の党ですが、時代遅れのイデオロギーの党ではありません。肝心なのは効果があるものです。目指すことはラディカルです。その手段はモダンなものでしょう。]

表紙が典型的だが、党首トニー・ブレアを前面に出している。
顔の半分を陰にするというのは、ビートルズの初期のアルバム(『ウィズ・ザ・ビートルズ』1963年)を連想させる。
飛ぶ鳥を落とす勢いだったころのブレアとニュー・レイバー。こんなマニフェストもいまや史料のひとつとなったわけだ。