モーカム湾を歩いて渡る

ランカスターの北に面するモーカム湾(Morecambe Bay)は遠浅で、干潮時は湾の東半分ぐらいが徒歩で渡れてしまうほど。ただし、この湾の地理をよく知らない者には非常に危険で、油断して貝を採っているうちに潮が満ちてきて(満ちるスピードは速いらしい)溺れてしまったとか、あるいは所々にある流砂にはまってしまったとか、時々事故が起きているときく。素人が渡ろうとする場合はガイドを必要とする。

日曜日、そのガイド付きの「モーカム湾横断ウォーク」というのに参加。モーカム近郊のヘストバンクというところから午後2時に出発し、対岸のグレインジ・オーヴァー・サンズに着いたのが午後6時、4時間歩き続けた。総勢200人くらいはいただろうか。なんだか「出エジプト」のような趣き。

途中、完全に干上がっていなくて膝上まで海水が来るような場所も数か所あり、こういうところを歩くのは慣れていなくて、最後はかなりへばる。
参加者のなかに、途中足でヒラメの大きいのを捕まえた人がいた。みなに自慢げに見せてから、その人はもったいないことにそれをリリースしてしまった。

こういう湾の横断はいまに始まったことではないようで、ワーズワースの『湖水案内』を見ていたら、湖水地方へのアクセスのひとつとして、「Furness Abbeyの名高い廃墟を見たいと願う人で、the Sandsを横断することを恐れないのであれば、LancasterからUlverstonへと向かうのがよろしい」と記している。この書きぶりからすると、ワーズワースもこのような横断ウォークを試しことがあるようだ。