フランダースとスワン

4か月ぶりに信州へ。関越道、上信越道とも下り線はかなり混んでいる。昼前に望羊荘に到着。リハビリ、夕方から本の編集関連の仕事。

1950年代半ばから60年代にかけて活躍したマイケル・フランダースとドナルド・スワンの二人組のコミック・ソング。この人たちの歌は、「道徳的」にはけしからんものが多いが、当時のイングランド人の多数派の偏見と本音が(しばしば自虐的な)愛国心と帝国意識とともに表現されていて興味深い。二人はパブリック・スクールの名門ウェストミンスター校からオクスフォード大学クライスト・チャーチに進み、第二次世界大戦後に再開してコミック・ソング・レビューを始めた。「第一、第二法則」などという歌もあって、なにかと思って聴いたら、C・P・スノウとF・R・リーヴィスの「二つの文化」論争をネタにした歌なのだった(第一、第二というのは、熱力学の法則のこと)。イギリスのサタイアの系譜に入る芸人たちで、これも論じてみたらおもしろい素材だが、文化史教科書ではあいにくとりあげる余裕がなかった。